2005-01-01から1年間の記事一覧

大晦日

来年はどんな事が出来るだろうと思いながら今年が過ぎて行く。 今年は初めての個展を開けてとても嬉しかった。これからは毎年1回くらいのペースで展示をしてゆきたい。個展を開いてみて、展示というのは写真を撮ることとはまた全然別のことなのだと思い、空…

決着

常日頃さぼり気味の掃除を、年末ということもあり、一気に片付けようと試みる。毎年の事だけれど、沢山の不要なものを溜め込んでいることに気付く。今年も沢山のものを捨てる事にした。それでも毎年物が増えてしまう。煩悩が多いからそう言う事になるのだろ…

手前

思い切って日記を変えることにしました。 これからは榎本千賀子の署名で書きます。そして、榎本千賀子は写真家です。 とはいえ、書く事はそんなに変わらないでしょう。日曜日、バイトを終わらせてからオペラシティーにシュテファン・バルケンホール展を見に…

味覚

今日は朝から晩まで仕事をする。朝の九時からバイトをかけもちして12時間も働くと、いい加減嫌になる。クリスマス、なんてものは今の私には関係ない。でも家に帰ったら冷えたチキンが置いてあって、それを暖め返して食べているとそれがとても悲しい。むし…

熊野

高速バスのチケットが取れて、今年の正月は5年ぶり位に父の実家である熊野の方へ行く事にした。石の浜辺や、山の緑の連なりや、石垣に囲われた家々や、荒く静かな海や、早口の言葉のイントネーションや、夜に聞こえてくる波音や、圧倒的な星空や、そんなも…

注射

今年はインフルエンザの予防注射を受けた。大人になってからは初めて。注射してしばらくすると体がだるくなった。免疫を作っているのだから当然なのだけれど、子供の時にはそれを全然感じなかったので、ちょっと驚く。でも自分の体が動いている、と分かるの…

寝言

私はいびきも多分かくけれど、それよりなにより問題なのは寝言がうるさい事らしい。家族にはこれまでに、就寝中に歌ったり、怒ったり、泣いたり、悲鳴を上げたりしている所を何度も見られており、気味悪がられている。そう言う日は大抵目が覚めても疲れてい…

旅行

こっそり個展を開いた後、イギリスに行き、本当はニューヨークで見たかったアーバスの回顧展をV&Aで見て来た。いい具合に旅行の日程と美術館でのアーバスシンポジウムの日程も重なり、思った以上に密度の濃い経験が出来たと思う。ここにはきちんとは書かない…

冷静

昨日はなんだか気分が勝手に空回りしていて、電車で知らない人に笑顔をみせるわ、なんだかんだと余計なことばかりしていた。冷静になると反省することばかり。少し自分が嫌になる。ただ、そういう混乱した状態のなかで、私がとった行動が人に笑いかけるとい…

笑顔

今日、電車に乗ったら向かいの席に座ったおばさん(五十代くらいかな?)が車内中に不快な視線を投げつけていた。眉間にしわを寄せて、汚いものでも見るみたいに車内の人達を遠慮などみじんも無く睨みつけている。時々このおばさんに限らず、何が気に入らな…

終了

関わって来た展示の仕事もほぼ終わり。書類の後片付けだけが残っている。きれいさっぱり片付けられてしまって何があったのかもう忘れてしまったような会場を見ていると、この1ヶ月見ていたものはまぼろしだったのではないかとすら思う。 私はほとんど何も考…

願望

単純な写真が撮りたい。被写体を写し出している、その有様を何処までも透き通って見る事のできるような写真が撮りたい。美しいだとか、そういう形容詞によって見られる写真ですら、時に鬱陶しく思える。世界があり、それが写し出されている、というこの不思…

視線

通勤電車の中で、隣に座った人と、前に立った人を血走った目でにらみ続けているマスクをした男の人を見た。落ち着きが無く明らかに尋常ではない雰囲気で、普段なら触らぬ神に祟りなしと避けるのだけれど、今日は車窓から見える町並みが穏やかな朝の日の光に…

溜息

ただ黙って机をひっくり返して、その場を笑いながら立ち去りたくなって、でもそれが出来ない臆病を抱えて、そういう時に出来る事と言えば、ため息を付いて自分の中の嫌な物を数える事くらいだ。 良い事の無い日。お腹の中は煮えてふつふつとしているけれど、…

東西

今日はお休み。延滞しすぎて学校から催促されていた本を返しに国立へ(情けない)、そして荻窪で写真を撮り、夕方から恵比寿の写真美術館へ行く。西から東へ、と移動し続けた日。天気が良くて、出歩くには本当によい日だった。 途中、新宿で中央線から山手線…

静寂

今日は素敵なものをみて、聞いた。 今日聞いた音は音であるのに音でないような、静寂であるような不思議な音。地からわき上がるような音。 空間と音が張りつめた関係にあって、その中で私は動く事ができなかった。 細かくは書かないけれど、そのイベントのス…

古典

今日は仕事帰りに職場の人達とお食事。 話は雅楽から古典文学へと流れる。私は雅楽をほとんど知らないし、古典は『伊勢物語』と『今昔物語』を好きで読むくらいなのだけれど。でもそれでも今日はとても楽しい時間を過ごした。しかしそれらの一節や歌を少しだ…

雨読

雨ばかりなので本を読む、のではなくビデオを見たり写真展に行ったりする。 日曜日 仕事の帰り道に、パルコミュージアムでの安村崇写真展を見る。空間への冷静な態度と、物の質感の緻密な写り方と、そこから生まれる違和感への繊細な在り方が上手い写真。写…

暴発

昨日の夜、家族がテレビを見ているリビングに半分寝ぼけて降りて行ったところ、そこでやっていたドラマが気に食わなくて、文句を言いまくったら家族の顰蹙をかってしまった。 ドラマはちゃんとみたわけではなく、5分かそこらちらと見ただけなのだが、その5…

蓄積

疲れがたまってきたのか、少しの事で落ち込んだり、苛々したりする。 夜、昼間の緊張感が抜けないのか、寝付きはいいのに何度も目が覚めてしまう。7時に起きればいいというのに、2時、3時、6時、と目が覚めて、またすぐに寝るのだけれど、そうやって細切…

変容

写真には、それが克明に被写体を写し出せば写し出すほどに、被写体からどんどん離れて抽象性を獲得してしまうようなところがあると思う。そしてそれが不思議で私は写真に関わり続けているのだ。 写真は被写体を変換するひとつの手続きであるから、被写体と写…

配慮

ここ数日の日記が、自分自身で思ったよりも病んでいるように読まれていたことがわかり、少し反省する。自分ではそんなではないと思っているけれど、やはり私は文章で悲愴ぶっているのかもしれない。 もっと軽やかに言葉を書きたいと、いつも思っているのにね…

孤独

言葉は孤独だ。言葉にはその外側が無い。 その孤独を、私はまた言葉で確認している。言葉を言葉の外に連れ出せない。不毛。 言葉にとって対象とはなんだろう、と考えはじめてからというもの、とても悩んでいる。どんな言葉も自己言及的に見えてしまうのは、…

伝染

良い感情もだと思うけれど、悪い感情は確実に伝染する。 今日は悪いものを沢山貰ってきてしまったようで、お腹の中が汚くなっている。どこかでそれを吐き出したい。 誰か好きな人と海を見に行って深呼吸をしてきたい。大きな貝が蜃気楼を吐いて見せるみたい…

死体

私はもう、関わり合いになりたくない。馴れ合いだけの関係は、無関係よりも更に絶望的だ。 けれど、勝手な奴だと思われる方が未来のない関係に絡めとられているよりはまし、と思うのに、どうして切り捨てられないんだろう。意気地なし。 冷徹さを無駄なとこ…

生育

ずっとどうにかしなくては、と思っていたハカラメを植え替えた。きちんと根付きますように。先輩のガジュマルや後輩のオーストラリア・ビーンズはこれでもか、という位元気だ。冬もこの調子で乗り切ってほしい。 今の仕事は通勤に割と時間がかかるので、けれ…

出勤

仕事を変わったため、その調整でここのところ1週間ほど休みだった。これからは毎日仕事。でも私は暇ばかりだと余計な事を考えては心配になるので、多少忙しい毎日の方が好き。 心はどこまでも自由だ、という事を今日聞いた。心はどこまでも自由なのに自由に…

突撃

レンタルビデオを返しに行った途中で、中型犬のアタックをくらってしまった。噛み付かれたりした訳ではなく、散歩中の犬2匹がじゃれ合っていて、そのとばっちりで体当たりされた。さほど痛かった訳でもないし、よろめいた位で怪我した訳ではないけれど、飼…

映画

mixiのコミュニティーを見ていて知ったのだが、アーバスの伝記『炎のごとく』が映画化される模様。主演はニコール・キッドマン。『炎のごとく』はソースが明示されていない事が多い上に偏りが激しく、アメリカの研究者の間では非常に評判の悪い伝記だけれど…

鳴声

気がつけば夜、外を歩くと足下から、そして頭上から、虫の声がする。鳴り止まないそれを聞きながら雑木林のような学校の庭を歩いていると、頭痛がするくらいの絢爛とした音。虫の声は相手を呼ぶ信号なのだ、と昔説明されたけれど、こんな音の洪水の中で、虫…