東西
今日はお休み。延滞しすぎて学校から催促されていた本を返しに国立へ(情けない)、そして荻窪で写真を撮り、夕方から恵比寿の写真美術館へ行く。西から東へ、と移動し続けた日。天気が良くて、出歩くには本当によい日だった。
途中、新宿で中央線から山手線へ乗り換える時に、灰野敬二らしき人を見掛けた。白髪まじりのまっすぐに長い髪にサングラス、黒いコートにステッキで、周囲に夜の雰囲気を漂わせた格好よい人だった。以前友達が新宿のタワレコで見かけ、握手を求めたら、良く知ってますねえとだか言われたらしい。私は街を歩いているときはかなりぼんやりしているので、有名人とすれちがうという事があっても気付かないことが恐らく多いのだけれど、今日は珍しく気がついた。私は声はかけずすれ違うのみ。
写真美術館は「写真はもののみかたをどのように変えてきたか 第4部 混沌」を見る。現在の写真家多数の作品が1人1点づつ並べられていた。その並べ方や、これで良いのか心配になるような作品に合っていない額装になんだかちょっと暴力を感じてしまって落ち着けなかった。割と連作である事が重要な作家でも1点づつで、それは諸々の事情で仕方ないのだろうけれど、でも……。けれど、ダニー・ライアンの「バイクライダーズ」のプリントが触りたくなるように深いきれいな黒をしていることや、ルイス・ボルツの「インダストリアル・パーク」が印刷で見るよりもずっとコントラストの強い痛いほどの白に満たされていることを見られたのは嬉しかった。
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