溜息

ただ黙って机をひっくり返して、その場を笑いながら立ち去りたくなって、でもそれが出来ない臆病を抱えて、そういう時に出来る事と言えば、ため息を付いて自分の中の嫌な物を数える事くらいだ。
良い事の無い日。お腹の中は煮えてふつふつとしているけれど、それに形を与えることが出来なくて、今もここにそれは残っている。言葉が苛立に追いつかない。その切れぎれのままの言葉を断片を書き付けて、それに火をつけて、東京中にまき散らしたい。私をその中で燃やしてしまいたい。
私をずたずたにしてやりたいといつも思っている。私を引き裂くことが出来たら良いといつも思っている。私は私の敵だといつも思っている。そうやって思う間はこの私から逃れられないと分かっていても私はそう思うのを止められない。
ずたずたの言葉を書き付けたい。もう文法もなにもかもめちゃくちゃにしてやりたい。言葉は私で私は私の敵だから。それでもこうして読み取れる言葉をしか書けない自分をうらめしく思う。
叫びを書きたい。言葉を発する強い意志に貫かれた言葉が欲しい。煩悩まみれなのだ結局。