連鎖

良く無い事は続く。
写真を撮っていたら、私服警官に職務質問を受けてどうにもいい気分にはなれず、その晩、息苦しい程の胃の痛みに目が覚めて、うんうん唸りながら眠れなかった。唸りながら、もしかして怖い病気なんじゃないか、こんなに息苦しいほど胃が痛いなんて私はもう長く無いんじゃないか、などという考えも、そんな訳はなかろう、と思いつつも去来してしまった。朝、まだなんとなく不快感の残る胃を抱えて病院に行くと、胃けいれんでしょう、心配いりませんよ、様子を見ましょう、などと言って薬をくれた。そっか胃けいれんか、心配ないのか、と思って家に帰り、調べてみると胃けいれんは症状の名前であって病名ではないらしい。しかも医者にはまた夜にそういう事があるかもしれませんとさらりと言われたのだった。原因はわからないし、また痛いかもしれない、というのは結構心配になることだろう、と思ったりする。
外は明るくて、ぽやぽやと黄色い菜の花が咲いたりしている。その間に、昨日は暴走族字体で書かれたタリバン最高指導者ラディン氏という落書きを見つけた。ソメイヨシノを見に来た人達の頭上で、からすががあがあ鳴いて示威行動をして、糞を垂れたりしていた。
胃痛自体は辛かったけれど、その胃痛の派手さはこういう春の文物と釣り合っていて、そうやって痛むという事が生きていることの元気さの一つのようもだんだん思えてくる。もう痛みを忘れているのだろう。