平衡

植物が芽吹き、そこに風が吹き荒れて天気がめまぐるしく変わる、そういった季節の慌ただしさと、年度替わりによる身近な人達の状況の変化やらに、どうにも毎年参ってしまう。そういう春の状況に、自分のしたい事やすべき事が失われて、周囲をきょろきょろと見ている。
何が問題なのかすら、わからないでいるのだ。だから何をしたら良いのかなど、見当もつかない。ただただ、不安になり、なにもしたい事は無いのに、焦燥感に囚われて、何かしていないと落ち着かない。手当り次第に、脈絡や計画を欠いたまま、本を読んでみたり、語学の勉強をしてみたり、写真を撮ったりしてみるけれど、一日そうして忙しくしてみても、それらはただすり抜けて行くだけで、充実感などない。
足下に恐ろしいがらんどうが待ち受けているような気がして、そこで強い風にあおられているような気がして、今にも墜落してしまうような気がして、怖くて仕方ないのだ。
手を足を動かして、時が過ぎてゆくのを、待っている。