不良

家はアパートをやっているのだけれど、そこに今家を建て替える祖父の知り合いが仮住まいしていて、そこのおじさんに私は不良娘として警戒されているようだ。
バイトの都合などで割と帰ってくるのが遅いのだが、それに対し「遅いねー、みんな心配しているよ」たまに早く帰ってくると「今日はめずらしく早いね」バイトからの帰りが遅いので仕方ないのだが、バイト後に用事があって夜家を出ると「家はあっちだよー」…おじさんは自営業で仮住まい先の私の家の裏とすぐ近くの仮店舗を繁盛に行き来していて、それは私が家から駅まで行くルートとほとんど同じ。2日に一度はすれ違い、その度に私の帰りが遅い事に絡めて一言。そりゃ物騒な世の中ですし、心配していただけるのは嬉しいですが、おじさんの語尾には警戒の方が強く見えてちょっと怖いです。にこやかながら、ちょっと疑っているような鋭い目つきも怖いです。
私の事を「今何年生?」とかつい最近まで訊いてきていたので、もしや私を今だ高校生位に思っている、という可能性もありなのですが、そんな、心配されるような事は何にもないですよ。もうグレる年でもありませんし。非常に良い子、優等生なんですよ!と心の中で思いつつ、今日もおじさんとすれ違う。
でも、今まで私は不良だとか、グレたとか思われた事が親はじめ先生などからも、ほとんど無かったので、ちょっとこの扱いは新鮮。いっそグレてしまおうかしら。