濃霧

頭の中に濃い霧がたちこめている。それが重くて仕方ない。頭の重みが全身に響く。だるくて仕方ない。行動が遅くなる。感覚が鈍くなる。自分の中に閉ざされてゆく。そこでは全てが停止寸前だ。それなのに、やけに外の音だけが響く。物音、人の話声、テレビの声、音楽、それらが意味を持った統制を失って、平坦になり、単なる騒音としてなだれ込んでくる。停止寸前の私はそれらを聞き分けることも、聞き取ることもできない。ただ、それでも聞こえてくる音。それが、かろうじて動いてはいるが自らに閉じこもる私を混乱させる。うるさい。世の中はこんなにうるさかったのだろうか。布団を頭からかぶり、目も、耳もふさぐ。
今日はそんな午後を過ごした。
午前中は結構元気で、中野の方まで散歩に行った。たまたま和菓子店で通常80円の御団子が50円で売られているのを見つけてお土産に買ったらとても美味しかった。ブックオフで瀬戸正人の『トオイと正人』を105円で買って読んだりした。それなのにねえ。

トオイと正人

トオイと正人