当然

何故だかは知らないがこのようなかたちでこうして世界があり、何故だかは知らないがこのようなかたちでこうして私があり、このようなかたちで世界が私に今感知されていること、そのことは途方もない事だ。
私はその途方もなさを中心にしてあり、その途方もなさを支えにしており、その途方もなさに動かされている。多分それは言うまでもない、ごくごく当たり前のことだ。新しさはなく、社会生活にはほとんど役に立たない。けれども、私はこの当たり前を抱えてそれに付き合わずにいられない。
私はおそらく一種の神秘主義者なのだと思う。