失望

最近某大学にもぐりこんで、写真系の授業を聞いているのだけれど、あまり面白くなくて落胆することが多い。もぐりの学生がこんなところで文句を言っても仕方ないのだけれど。採り上げる写真家が講義内容と照らしてどうにも適切でない(そういう話がしたいなら他にもっとふさわしい写真家がいるだろとか、写真専門でない事が大半の学部生に教えるならある程度写真史のスタンダードを教えた方が後々為になるでしょとか)という事についてはまあ考え方や端的に写真の好みの相違ということで我慢できなくもない。それにしても、写真を例えば何か比喩的な図式を使ってとらえるということを、その有効性や限界を全く反省しないでただ何のためかも分からないまま授業で展開するというのは、あまりにも怠惰なのではないだろうか。写真は比喩で捉えられることなど欲してはいない。比喩はそれが何かの効果を目指すのでなければ、単に写真を写真として捉えることを妨げるだけだ。誠実に写真に向き合おうとするならば、安易に比喩など使えないはずなのだ。よほどの覚悟と自覚がなければ。
しかし言うは易く行うは難し。私はしっかりとこの授業を反面教師にしよう。そしていつか、写真に本当に誠実に向き合うのだ。